BESTEX Spring


サーキットではともかく、街乗りでは乗り心地がいいに越したことはありません。
自分1人のときはともかく家族や親戚、会社の上司などを乗せるときはどうしても気を遣ってしまいます。
アラゴスタはレートの割に乗り心地は良好ですが、もう少し改善したいと思いスプリングを交換してみました。
汎用性のある直巻スプリングですので、探せばかなり安価に入手できます。

私のアラゴスタはフロント10k(ID65-208mm)・リア7k(ID65-254mm)なので、ID65のスプリングをオークションで探します。
最初は乗り心地がよいと評判のSwiftを狙っていたのですが、人気商品なため入札金額もどんどん上がります。
物によっては、ヒラノタイヤで新品を買うのとほとんど変わらないくらいまで上がってしまうので、さすがに断念しました。
どうしたものかと思っていたところで、たまたま"BESTEX"で検索を掛けると、タイミングよく10k・208mmと6k・254mmが出品されています。
新品を買うと高価なのですが(12,000円/本)、Swiftほどの知名度がないためかオークションではさほど競ることもなく、結局新品1本分以下で4本を揃えることが出来ました。

リアが先に届いたので、先に交換します。
全長が短いので脱着はあっという間に終わりました。

アッパーマウントは外し方が不明なため、スプリングシートを外します。
かなり汚れていましたので、ネジ部を綺麗に掃除してラストプルーフをスプレーしておきました。
ちなみにショックの隣の物体は靴磨き用ブラシです。
アルミ製フルタップの車高調の場合はワイヤーブラシで掃除すると傷つくので、私は靴磨きを使っています。

並べてみると、標準のメルヴェより若干巻数が少なく、軽量です(レートが低いことも影響しますが)。
BESTEXのスプリングはID66で1mmほど大きいのですが、特に問題はありません。

ちょっと微妙なカラーマッチング(汗)。
想像していたよりはましでしたが、なんだか圭オフィスの足みたいな色になりました。

この状態でしばらく乗りましたが、1kg/mmのレートの差は明らかに感じられました。
これまでは減衰を最弱にすると、突き上げはないもののフワフワするような感じだったのが抑えられるようになりました。

そして続いて届いたフロントの交換です。

BESTEXの売りの一つは、全品検査することによってレートの近いスプリングを組み合わせてあることです。
10年前にシビックにもBESTEXのスプリングを装着していたのですが、このときも同じようにレートが記してありました。

同レート・同スペックのスプリングで比較すると、巻き数も重量もほぼ一緒でした。
同じレートなのでわざわざ交換する必要もないのですが(汗)。
ちなみにSwiftでは1.41kgだそうですが、さすがにそこまでは軽くありません。

フロントも綺麗に掃除してから装着しました。
たまにはバラして掃除してやるといいですよ。
新品みたいになりますし、ネジ部の固着も防ぐことができます。

フロントは同レートなので、違いがわかるかな?と思っていましたが、実際にわかりました。
微妙な差ですが、嫁が横に乗っても乗り心地がよくなったと言うくらいです。
これでひとまず目的達成です。

アラゴスタに限らず、スプリングを変更するときは内径(ID)だけは同一のものを選ばないといけません。
自由長については1〜2kの変更なら同じ長さで構いませんが、大幅に変更する場合はレートを下げるときは長いもの、レートを上げるときは短いものを選びます。
例としてSwiftスプリングの自由長208mmで、5kと8kのスペックを見てみると
品 番
PART No.
ばね定数
Kgf/mm
最大許容作動長
mm
最大許容荷重
kgf
単体重量
kg
Z65-208-050 5.0 126.0 630 1.03
Z65-208-080 8.0 107.0 856 1.26

となっています。
最大許容作動長とは、スプリングが全密着するまでの長さ(=スプリングのストローク)で、5kスプリングでは126.0mm縮むとスプリングが全密着してしまいます。
最大許容荷重とは、最大許容作動長×スプリングレートで「スプリングが全密着するときの荷重」という意味になります。
スプリングが全密着するともはやスプリングとしての役目を果たしませんので、スプリングレートを下げて極端に最大許容荷重が下がるときは長いスプリングを選択したほうがよいでしょう。
254mmにすると最大許容荷重を少し稼げます。

品 番
PART No.
ばね定数
Kgf/mm
最大許容作動長
mm
最大許容荷重
kgf
単体重量
kg
Z65-254-050 5.0 150.0 750 1.42

反対にスプリングレートを上げるときは、許容荷重の問題はありませんが、自由長がそのままだと車高を下げられないときがあります。
無意味にスプリングが長いと重量も増えますので、この場合は少し短いスプリングを選択した方がよいでしょう。

どちらの場合もショックによっては自由長の変更に制約がありますので検討が必要ですが、知っておくと何かの役に立つかもしれません。