Big Throttle


CL1を手放すことになった、LukeさんにM-Works製のビッグスロットルを譲って頂いたので装着しました。
ユーロRに限らず最近よくみかけるビッグスロットルですが、要するに機械加工でスロットル径を広げて吸入空気量を増やしてやろうというものです。
ただ物によってどこまで加工するかは異なり、バラフライまでを加工するもの、バタフライ部も加工して径の大きいバタフライに交換するもの、インマニ部の加工を前提としてさらに拡大するもの、などがあります。
今回装着したM-Works製の物はバタフライ部も加工するタイプで、下記の仕様になっています(バタフライ65φもあり)。

(単位:φ) 吸入口 バタフライ バタフライ後 インマニ
純正 66 62 62 64
M-Works製 70 64 64 64

並べてみるとこの通り。薄いので取り扱いには注意が必要になります。

インマニ側。吹き返しのためかなり汚れていますが、MAPセンサー・RACVへのポートは綺麗でした。

たしかに70φあります。

インマニ側は64φ。

不思議なことにインマニは64φです。
純正スロットルは62φなので、これでは段差が出来るはずなんですが・・・

交換作業は簡単ですが、ガスケットの交換が必要になります。

まずはインテークチューブを取り外します。
次にスロットルワイヤーを取り外し(ステーを外してやると簡単です)、MAPセンサーのカプラー(灰色)・スロットルポジションセンサーのカプラー(青色)を外します。
スロットルボディに入る水ホースが2本ありますので、もちろんこれも外しておきます(エンジンが熱いときは注意)。
あとはスロットルボディのボルト2本・ナット2個を外せば取り出せます。

ホースを抜くときはプライヤーなどを使いますが、ホースを痛めないようプライヤーにビニールテープを巻いておくと安心です。
また、ボルト・ナットを外したのにスロットルボディが外れない場合は固着しています。
2本のスタッドボルトに潤滑剤をスプレーしてやり、スロットルボディをプラスチックハンマーなどで軽く叩いてやりましょう(鉄ハンマーの場合は木片等の上から叩かないと変形するので注意)。
文章で書くとややこしいですが、さほど難しい作業ではありません。

さて、M-WorksのHPにも「スロットルポジションセンサーは一応抵抗値をみて調整しますが・・・」などと書かれていますが、実際に整備書をみても規定の抵抗値は書いてありません。
そこでディーラーにてPGMテスターで調べてもらいました。

これはほんの一部分ですが、かなり詳細な情報が得られます(テクトムのCMX-100などはこの情報の一部を利用しています)。
かなり使えそうなので欲しくなってしまいますが(笑)、値段は相当高いようです。

調査の結果、規定値内ということだったのでよしとしました・・・が、興味があったのでテスターで抵抗値を調べて弄ってしまいました。
現実的には交換後はバッテリーを外してECUをリセットし、キーONの状態で30秒ほど待ってからエンジンを始動し、10分程度放置するだけでいいようです(不確定な話なのですが、これをすることでスロットルポジションの初期値も学習するようです)。

ビッグスロットルにすることによる影響ですが・・・その前にホンダ車に使われているDジェトロという方式は、直接空気量を測定する方式ではなく、吸気管(インマニ)の負圧とエンジン回転数から吸入空気量を演算によって求める方式です。
よってアクセル全開のときはECUが演算で求めた値よりも多い空気を吸入していることになります。
これをECUのマージン内でおさまると判断するかどうかなのですが、これによって壊れたという話も聞かないので大丈夫だろうと判断することにしました。

装着して走ってみると、低負荷時でもトルクが増している感覚があります。
もっともこれはスロットルが早開きになったのと同じなので当然なのですが、それにしても走りやすいような感じを受けます。
全開にすると(あまり試していませんが)、下からトルクが出るようになったためか爆発的ではありませんが、気持ちよく高回転まで回ってくれます(ボトルネックになる要素が少しでもスロットルにあればパワーも上がっているはずです)。
どちらにしても取り扱いが難しくなるなどのデメリットは一切感じられませんでしたので、効果的なチューニングかもしれません。
サーキット走行が楽しみになりました。

(おまけ)
インマニ内部を撮影してみました(突き出て見えるのは吸気温センサー)。
表面は平滑というわけではありませんがテーパー状に各ブランチと繋がっており、なかなか綺麗な形状でした。