オルタネータ交換(K20A)


燃料ポンプ交換に続き、ずいぶん前の作業で恐縮ですが、リフレッシュの一環としてオルタネータを交換しました。
「オルタネータ」「ジェネレータ(A.C.G.とも)」「発電機」と呼び方はそれぞれですが、オルタネータもまた突然死があり得るパーツです(ちなみに「ダイナモ」と呼ぶ人もいますが、これは「直流発電機」のことなので正確には誤りです)。
壊れ方はいろいろで、突然まったく充電しなくなったり、効率が大幅に低下したり、ベアリングから異音がしたりと様々です。
交換の難易度は車によって大きく異なりますが、CL7は簡単な部類です。
取り外ししやすい場所にありますし、オートテンショナーなのでベルトの張り調整も不要です。
最初にバッテリーのマイナス端子を外します。
オルタネータのB端子はバッテリーのプラス端子と繋がっているため、これを忘れると悲劇が起こりますので要注意。
その後、ベルトを外し、プーリーを外し、オルタネータ本体を交換、あとは元に戻すという手順になります。

ベルトを外すために、長いストレートのメガネレンチをアイドルプーリー中心のボルトに掛け、右方向に(締めるように)回します。
そうするとベルトが緩むので、すかさず取り外します。

ベルトを外したら、アイドルプーリーをブラケットごと取り外します。

さらに3本のボルトを緩め、オートテンショナーを取り外します。
場所はテンショナー中心、手前、奥の見えにくいところに1本あります。

オートテンショナーを外すと、だいぶすっきりしてきました。
後は緑色のカプラーとB端子、そしてオルタネータ本体の取り付けボルト3本を外すだけです。
カプラーにはクランプが付いていますので、これもつまんで取り外しておきます。
B端子は防水キャップをめくり、ナットを外します。

オルタネータ本体の3本の取り付けボルトは、最も緩めやすい上側の1本は最後に外します。
下側の2本は作業性が悪いので、手持ちの工具で緩めにくいときはラジエータシュラウドを外してみるとよいでしょう。
 
新旧のオルタネータ。
新品といいつつ、実は再生したリビルド品になります。
セルモータやオルタネータ、ACコンプレッサーなどは、一般的に新品交換することはあまりなく、オーバーホールしたリビルド品を使います。
完全な新品ではない代わりに、半額程度で入手できます。
ただし、どこまでの部品を交換しているかは不明なことも多く、あまりにも低価格なものは品質が心配になります。
私は心配性なので、DENSOでリビルドした正規品を選びました。

オルタネータを取り外したシリンダーブロック。
見ての通りオルタネータはボディでアースしますので、オルタネータとシリンダーブロックが接する箇所を清掃し、また取り付けボルトも綺麗にしておきました。
こういったちょっとした作業ができるのが、DIYのよさでしょうか。

さて、取り付けは取り外しの逆の手順を行うだけです。
本体、カプラー、B端子の順に取り付けます。

オートテンショナー、プーリーも元に戻します。

ベルトは外すより掛けるほうが困難です。
まずはテンションプーリー以外にベルトを掛けておきます。
次に外したときと同様にアイドルプーリー中心のボルトを右に回します。
プーリーが移動するので、その隙にテンションプーリーに掛けるような感じです。
ベルトが掛かったら、エンジンを始動する前にすべてのプーリーに確実に掛かっているか、念のためによく確認しておきましょう。
問題がなければ、バッテリーのマイナス端子を接続して作業完了です。

作業に使った工具です。
長いストレートのメガネレンチは、この作業には必須です。
その他の工具は一般的なものばかりですが、オルタネータ本体を外すときの作業性が悪いので、ソケットやエクステンションのバリエーションがあったほうがよいでしょう。
今回は13mmの板ラチェットと、そこに差し込む3/8インチのソケットアダプターが重宝しました。

外した旧オルタネータは返却しなければいけませんが、せっかくなのでブラシの残量を見てみることにします。
リア側のカバーを外すだけで簡単にブラシホルダーも外すことができます。

ブラシホルダーを外したところ。
スリップリングには若干の段差がついています(ブラシと接触して回転することで摩耗していくためです)。

ブラシの残量は約5.5mm。
新品が10.5mmで使用限度が1.5mmとされていますので、残量だけ見ればまだまだ使えますが、あまりにもギリギリまで使うのは危険ですし、その他の部品が先に不良になることも多いです。

外したブラシホルダーを元に戻すには、ブラシを引っ込めた状態にしておき、このように棒状のものを差し込んでブラシが飛び出さないようにしておいてから取り付けます。
ブラシだけ交換する場合には、この手順になります。
オルタネータの残寿命判定は難しいのですが、一般的に
・ 装着している電装品が多い
・ 夜間の運転が多い
・ ちょい乗りが多い
・ 弱ったバッテリーを長く使っている
などの場合は負担が大きい(発電量が多い)ので、早めの交換が安心です。
また、場合によっては「ちょっと走りがよくなった」と感じられることもあります。
交換時期の目安は難しいのですが(車によって壊れやすいとかあったりします)、CL7の場合は15万キロを超えたあたりで検討したほうがいいと思われます。