インジェクター清掃


私のCL7も2回目の車検を前にして走行距離7万キロを越えました。現在のところこれといった不調箇所はないのですが、予防的な意味を込めてフューエルインジェクターを取り外して清掃してみました。

このインジェクター清掃は最近よく見るようになったサービスの一つです。業者が行うこのサービスは、取り外したインジェクターを作動させながら洗浄液を循環させるというもので、当然DIYレベルでは同じような作業はできません。しかしながらK20Aの場合、新品インジェクターの価格が約8000円(所有のパーツリストによる)であるため、あまり費用を掛けても仕方ないと思い、できる範囲で清掃してみることにしました。

さて、インジェクターを取り外すということは、何よりもまず燃圧を抜かなければいけません。
ここでは整備書に従って、フューエルポンプリレーを取り外してエンジンを始動し、エンストするまで放置する方法を取ります。
リレーはアクセルペダル横のヒューズボックス付近にありますが、ヒューズのように簡単に抜き差しできないのでカバーを取り外します。

写真の通り、ヒューズの上部にリレーが見えます。
目当てのリレーは写真中央左の青いリレーです。

これを引っ張って取り外し、エンジンを始動します。
が、すでに燃圧が抜けていたのか、エンジンが始動しません(夜の間に徐々に低下したものと思われます)。
そのまま何度かクランキングして(連続して回すとセルモータを損傷してしまうので注意)、最後に燃料タンクのキャップを開けてタンク内部の圧力を抜いておきます。

ここからは火気厳禁の作業です。
念のためバッテリーを外しておいてから、インマニのカバーを外します。

次にインジェクターのカプラーとソレノイドバルブのカプラーを外し、中央に見えるエアホースも外しておきます(余談ですが、このエアホースを抜いたところからエンジンコンディショナーを吹くのも効果的です。ここから各シリンダーへのポートがあるためです)。
電子制御式燃料噴射装置の仕組みは、このフューエルパイプに圧力を掛けた燃料を満たしておき、電気信号によってインジェクターを動作させ、インマニ内に燃料を噴射します。
H22Aなど従来のエンジンにはプレッシャーレギュレータという燃圧を調整する装置が付いていますが、K20Aはポンプ内蔵式になっています。

フューエルパイプをインマニに固定するナットを外し、フューエルパイプをインマニから引っこ抜くようにして取り外します。

インジェクターには抜け防止の金具がセットしてありますので、それを外し、フューエルパイプから取り外します。
ガソリンが漏れ出てくるので、ウエスなどを忘れずに。

4気筒分取り外して、3つのOリングも外します。
念のため、どのインジェクターがどのシリンダーに装着されていたかわかるようにしておきます。

さて…どのくらい汚れているか楽しみ?だったのですが、結果としては非常に綺麗なものでした。
昔のインジェクターと比べて外観は安っぽい感じを受けますが、8ホールタイプになっていました。

いろいろと眺めてみましたが、どれも特に問題はないようです。
少しくらい問題があったほうが、面白いのですが。
なお、インジェクターの端子間の抵抗値は10〜13Ωです。

どうやって清掃してやるか悩むところですが、燃料に添加するインジェクタークリーナーを使ってみました。
カップにクリーナーを入れ、インジェクターを漬けます。
このまましばらく放置です。

その間、エンジンコンディショナーも吹いておきます。
インジェクターの外れたインマニは、エンジンコンディショナーを使う絶好のチャンスです。
この先は吸気ポート、そして吸気バルブですから、四方八方にかかるよう吹きまくります。
ちなみに赤いテープは異物の混入を防ぐためのものです。

30分くらいクリーナーに漬けた後、ブレーキクリーナーで清掃し、念のため本体にはシリコンオイルスプレーを吹き綺麗に拭きとっておきます。
クリーナーを入れたカップの底には、残念ながらカーボンやスラッジの類は見当たりませんでした。
それぞれ3個のOリングをセットし、Oリング部分にはエンジンオイルを薄く塗布してから、元通りフューエルパイプにインジェクターを装着します。

なお、当然ながらOリングは新品に交換します…が、実は今回は交換していません。
なぜなら3種類×4気筒で12個必要なOリングが、なぜか11個しか来なかったからです…。
なので漏れが無いのを確認した上で、後日再度作業することになりました。

インマニには真っ直ぐに差し込み、ちゃんと装着されているかよく確認しておきます。

取り外したハーネスやエアホースを繋ぎ、作業完了です。
リレーとバッテリーも元通りにしますが、インマニカバーはまだ付けずにおきます。

すぐにエンジンは始動させず、イグニッションキーをONにしてフューエルポンプを作動させ、再度OFFにしてからまたONにするという作業を5〜6回繰り返し、抜けた燃圧を掛けておきます。
その後エンジンを始動し、インマニ周辺、特にフューエルパイプとインジェクターの繋ぎの部分から燃料漏れを起こしていないか、よく確認します(漏れがないのを確認できたら、インマニカバーを装着します)。

冷間時でもあり、またエンジンコンディショナーを大量に吹いていたこともあり、アイドリングが安定しないのでしばらく放置しておきます。
暖機完了後、少し走り回ってから再びバッテリーを外し、アイドリングの学習を行います(無負荷・水温90度以上で10分間放置)。
これで本当に作業完了ですが、効果のほどはと言いますと…劇的な変化はありませんでした。
しかし若干ながら滑らかになった感じを受けます(特にアイドリング時)。
もっともインジェクターの清掃が効いたのか、エンジンコンディショナーが効いたのか、はっきりわからないところはあるのですが(汗)。

いずれにせよ悪化することはありませんでしたので、よしとしておきます。
もっと走行距離が進んだ車でしたら、はっきりわかるくらいの効果が出るかもしれません。